おたねにんじん

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おたねにんじんとは?

おたねにんじんとは?

「朝鮮人参」「高麗人参」とも呼ばれ、ウコギ科の多年草の植物で、セリ科のニンジン(キャロット)とは種類が違います。
会津地方では、江戸時代から続く300年以上の歴史があります。
会津地方は、長野県、島根県とともにおたねにんじんの三大生産地のひとつです。
畑に種をまき、収穫するまで4~6年間かかります。
おたねにんじんは、長い時間をかけて土の中の栄養を吸収・蓄積し、おたねにんじんに特徴的なサポニン成分(※1)を生み出すため、一度栽培した畑では、その後数十年間栽培できないと言われた時代もありました。現在では、土壌消毒の徹底等により栽培に成功する例も見られます。
とは言え、とてつもない時間をかけて作られるおたねにんじん(会津人参)は、まさに『会津地方を代表する地域特産物』であると言えます。
会津産のおたねにんじんにもサポニン成分が多く含まれています。

※1:サポニンには、強壮、疲労回復、血流改善など多くの作用が実験的にも認められています。

「おたねにんじん(会津人参)
リーフレット」(PDF:2.6MB)

おたねにんじん(御種人参)の由来

江戸幕府は、増殖した種を諸大名に分け与え、全国に栽培を奨励しました。幕府からいただいた御種(おんたね)に由来します。

おたねにんじん(御種人参)の
栽培の主な歴史

西暦 年号 事項
1716~30年 享保年間 会津藩主松平正容が御薬園に人参種子を播種する。
1803年 享和3年 会津藩家老田中玄宰(はるなか)は出雲(島根県)より大量の種子を取り寄せ、藩内に栽培を奨励する。
1829年 文政12年 会津藩は、人参の栽培や販売を藩直営(専売制)とし、人参奉行所を置く。
明治時代 外国へ輸出されるなど盛んに栽培され、わが国有数の生産地となる。
昭和時代 会津人参農業協同組合(専門農協)の設立。会興社のブランドで海外輸出。
平成時代 中国産の安価な人参が輸入され、収益が減少。輸出も伸び悩む。
平成24年~現在 原発事故の影響等により会津人参農業協同組合が解散。その事業を清水薬草(有)が引き継ぐ。現在は、これまで人参栽培を継続してきた生産者や、新規就農者を中心とした会津人参栽培研究会が伝統を守り続けている。
  • 福島県内の栽培農家数 平成4年:341戸 平成29年:27戸
  • 福島県内の栽培面積  平成4年:179ha 平成29年:5.97ha

おたねにんじん(御種人参)の
生産の現状

  • 栽培農家数の推移

    栽培農家数の推移
  • 栽培面積の推移

    栽培栽培面積の推移

おたねにんじん(御種人参)の
生育状況

おたねにんじんの栽培法には、直接畑に播種して栽培する直播栽培と苗を育苗定植する移植栽培があります。
それぞれの栽培法のポイントを把握し、おたねにんじんの栽培に適した畑づくり(※1)に十分に時間をかけて行うことが大切です。
おたねにんじんは、直射日光を受けると葉焼けを起こすため、栽培畑に日覆面を設置し、生育期間を通して、その中で栽培されます。

※1:作付けする前に、稲わら・籾殻や緑肥等を土壌にすき込んで時間をかけて土の硬さや耕しやすさ(易耕性)等を改善する必要があります。

  • 《春》芽吹

    《春》芽吹き

  • 《初夏》開花

    《初夏》開花

  • 《夏》真っ赤な果実1

    《夏》真っ赤な果実1

  • 《夏》真っ赤な果実2

    《夏》真っ赤な果実2

  • 《秋》収穫1

    《秋》収穫1

  • 《秋》収穫2

    《秋》収穫2

写真提供:パナックス(福島市)

公立大学法人福島県立医科大学
会津医療センター
漢方医学講座 三潴教授
インタビュー

『おたねにんじん(会津人參)と“元気”の補充!』

三潴教授
会津医療センター【平成25年5月開設】の漢方内科では、会津地方で収穫されたおたねにんじん(会津人參)を漢方薬「煎じ薬」の約4分の1に使用しています。
当センターでは、免疫力を高める場合や、胃腸虚弱な方、手術後の体力回復などの治療におたねにんじんを配合した処方に用いています。
おたねにんじんは体の弱った病人などに“元気”を補うため、古代より大切に用いられてきました。
おたねにんじんに特徴的な成分として、ジンセノサイドと総称されるサポニンが挙げられます。
サポニンには強壮、疲労回復、精神安定、免疫力強化、血流改善など多くの作用が実験的にも認められています。
会津産のおたねにんじん(会津人參)にも、健康のために役立つサポニン成分が多く含まれています。
江戸時代には輸入品で高価だったため、幕府が人参栽培を奨励し、成功した会津や雲州(島根)、信州(長野)が三大生産地となりました。
中でも、会津人參は、江戸時代から清国(中国)などに最も輸出され、地元経済に大きく貢献してきました。
会津人參は、薬膳鍋をはじめ、そばの付け合わせのてんぷらや会津人參入りのレトルトカレーに使用されるなど、太い根の天ぷら以外にも食用での需要が徐々に高まっています。